映画『激突!』
1ヶ月ほど前、テレビ東京で『激突!』という映画を放送していた。スピルバーグ監督の作品だ。
私はその時間に合わせて用事を済ませ、テレビの前に正座した。
映画は観るたびに新しい発見があるからだ。
セールスマンが車で仕事に出かける。「夕方までには着くと思うよ。」電話で相手に伝えてある。
途中の一本道で、速度の遅いトレーラーにイライラし、追い越す。
そこからトレーラーの仕返しが始まる。
追いかけ回され、追突され、主人公のセールスマンは殺されそうになる。だんだん精神的に追い詰められていく。
この話が怖いのは、トレーラーの運転手の顔が、一度も画面に映らないことだ。
主人公が追い詰められていくのと一緒に、見えないことによって、こちらも恐怖が増してくる。
目が離せなくなる。
そして最後に、トレーラーは崖から落ちる。トレーラーの運転手は最後まで姿が見えないが、血がしたたり落ちる。
夕日の中に主人公がいる。
50年以上前の作品で、CGなどなかった時代だ。あれを実写で撮影したと考えるだけで、わくわくする。
自由にならなかったからこその、面白さがある。
( ˙灬˙ )